点と点

読書録&にっき

2017年4月

2017年4月の読書メーター

読んだ本の数:8冊

読んだページ数:2276ページ

ナイス数:36ナイス



サピエンス全史(上)文明の構造と人類の幸福サピエンス全史(上)文明の構造と人類の幸福感想

読了。
『危機の20年』と並行して読んでいたので上巻だけでめちゃくちゃに時間がかかった。
認知革命(言語など)農業革命(狩猟社会→農耕社会)を経て、貨幣という虚構への共通信頼をもとに人類は統一されたことを示している。
世界史ではなく、題名のようにホモサピエンス史である。世界史より鳥瞰的に(本文では更に上の次元として衛星的という視点で)歴史をみている。下巻には、貨幣に加えて宗教の視点から人類の統一を分析している。下巻が楽しみである。

読了日:4月30日 著者:ユヴァル・ノア・ハラリ
ヨーロッパ思想入門 (岩波ジュニア新書)ヨーロッパ思想入門 (岩波ジュニア新書)感想

読了。現在に至るまでのヨーロッパ思想を古代ギリシアの思想とユダヤの信仰に基づくものとして描いている。すなわち、本の構成としては明瞭で基礎の二つを概観し、基礎から生成された思想を駆け足で観ていく形をとっている。岩波ジュニア新書というのは、かくも難しいのか?ジュニアと言うくらいだから中学生せめて高校生に向けて書いた本かと思っていたが、内容は一般の新書と比べても高度である。(そもそも入門と言っている)最後に、おそらく誤字を発見。176ページのカントに関する記述。「感覚的直感」ではなく「感覚的直観」かと。

読了日:4月29日 著者:岩田靖夫
危機の二十年――理想と現実 (岩波文庫)危機の二十年――理想と現実 (岩波文庫)感想

とりあえず読了。
1ヶ月くらいかかった。
けれど、理解出来たかといえばそうでもない...。難しい?読解力不足?原因はよく分からない。
ただ、ユートピアニズムとリアリズムのあり方、それぞれのメリット、デメリットに関してはとてもわかり易かった。古典を読むということは労力、教養、忍耐力がいるということは理解出来た。
1年以内にリトライしたい。

読了日:4月26日 著者:E.H.カー
ポピュリズムとは何か - 民主主義の敵か、改革の希望か (中公新書)ポピュリズムとは何か - 民主主義の敵か、改革の希望か (中公新書)感想

2周目読了。
一周目はさっぱり外形を掴めなかったポピュリズムをある程度感覚的に理解出来た感動はあったが、二周目にして、結局ポピュリズムって何?という疑問に行き着いてしまった。
ポピュリズムと移民排外主義はヨーロッパに置いて結びつくことが強調され、ラテンアメリカでは再分配を求める人達の声を拾い上げる存在としてポピュリズムが存在すると指摘。
すなわち、ポピュリズムはその施策を伴わなければ説明できない概念なのか。甚だ疑問。

読了日:4月24日 著者:水島治郎
日本人のための世界史入門 (新潮新書)日本人のための世界史入門 (新潮新書)感想

この本を読み切れたことは、すごい自信になる。
というのも、読書というものを生活に取り入れ始めた時に買った本書を数ページで読むことを諦めたからだ。正直、駄本だと思った。
しかし、読書経験を少し積んだ今には本書に小谷野敦という男の圧倒的教養と今における歴史のあり方、歴史という解釈の仕方が全面に出ている事を感じ、楽しかった。
正直、読書初心者、世界史初心者に向いていないという点でタイトルは不適切だが、この本を通読するに耐える力を手に入れることはまさに入門を一定程度理解したことになると思う。腕試しにオススメ。

読了日:4月22日 著者:小谷野敦
イスラームから世界を見る (ちくまプリマー新書)イスラームから世界を見る (ちくまプリマー新書)感想

アメリカのシリアでの空爆に触発されて再読。
この本が私のイスラームに関する知識の根幹になっている。
大学の教授でさえも、中東やイスラームに対して西洋的な価値観でものを見ている。西洋的な価値観を普遍的だとする傲慢な考え方だと思う。といいつつ、私も西洋的な価値観に支配されていると思う。
この本は、日本人のイスラームムスリムに対する印象を修正し、厳格で、場合によっては過激な印象を持たれるイスラームの本当の姿を提示してくれる。

読了日:4月15日 著者:内藤正典
寝ながら学べる構造主義 <a href=*1" align="left" style="margin:0 5px 5px 0;border:1px solid #dcdcdc;">*2">寝ながら学べる構造主義 *3*4のえぬもりさんの感想">感想

読了。
読んでいて、内田樹さんの教養の深さを感じる文章だった。
構造主義ってなんだという疑問に、構造主義の思想的変遷の説明を持って答える著作。高校で習った無機的な哲学者が、この本によってより有機的な意味を持つようになった。
構造主義言語学などと密接な関係を持っていることはかなり驚きだった。

読了日:4月12日 著者:内田樹
難解な本を読む技術 (光文社新書)難解な本を読む技術 (光文社新書)感想

読了。難しい本とされているものが、あまりに難しい本で現状打破のための本とはならなかった。しかし読書ノートをとったり、本がどのような論理形式に則って書かれているか予め分析したりすることはどんな難易度の本にも共通した技術だと思う。

読了日:4月10日 著者:高田明典


読書メーター

*1:文春新書

*2:文春新書

*3:文春新書

*4:文春新書