点と点

読書録&にっき

2017年3月

2017年3月の読書メーター
読んだ本の数:6冊
読んだページ数:1517ページ
ナイス数:26ナイス

人生が変わる「潜在意識」の書きかえ方―“先のばしグセ”をやめたらお金と成功がやってきた!人生が変わる「潜在意識」の書きかえ方―“先のばしグセ”をやめたらお金と成功がやってきた!感想
読了。
「絶対にしなければいけないこと」「した方がよいこと」を区別し、とりあえず前者に全力を尽くすべき、だとする考え方は大いに参考になった。
私は「絶対にしなければならないこと」をする上でのモチベーションを「した方がよいこと」から引っ張り出すこともできるし、これがアドラー的にいう「優越性の欲求」を上手く刺激する方法だと思う。

読みやすく文字数も少ない本だが、面白かった。アドラーの考えの中でも、自己受容の部分と大きな繋がりを感じられた本。
読了日:3月10日 著者:棚田克彦
スタンフォード大学で一番人気の経済学入門 ミクロ編スタンフォード大学で一番人気の経済学入門 ミクロ編感想
面白くない。
大学でマクロ経済を取ったことがあるが、受講の上で必要なミクロ経済の知識として紹介された内容のレベルくらいに思う。
経済学部に所属している訳では無いのでなんとも言えないが...、これのマクロ版を読むくらいなら『基礎からわかるマクロ経済』(家森)をオススメする。
にしても、池上彰が携わっている本は易しいだけならいいんだが、読みづらいしやたら改行が多くて高校生のブログを読んでいるみたいだ。
なんにしてもとにかく面白くない。
読了日:3月6日 著者:ティモシー・テイラー
トルコ現代史 - オスマン帝国崩壊からエルドアンの時代まで (中公新書 2415)トルコ現代史 - オスマン帝国崩壊からエルドアンの時代まで (中公新書 2415)感想
かなり時間がかかったが読了。
オスマン帝国崩壊後から現在大統領のエルドアン政権までの歴史を新書にしては多めの300頁で書かれている。
トルコの歴史は、イスラームと西洋の世俗主義との狭間で揺れ動いてきた。また、世俗主義を支持する軍部によって政府は多くのクーデターに見舞われた。しばしば軍事政権が誕生したものの、文民統制は常に軸として存在していたように思う。
クルド人との関係、イラクやシリアとの関係、ISとの関係など、今のトルコ外交は複雑な状況である。
親日国として知られるトルコをざっと知ることの出来る良書。
読了日:3月5日 著者:今井宏平
ポピュリズムとは何か - 民主主義の敵か、改革の希望か (中公新書)ポピュリズムとは何か - 民主主義の敵か、改革の希望か (中公新書)感想
とても面白かった。
ポピュリズムはネガティブな意味で語られることが多いが、私は民衆の支持を得て活動する彼らに悪い印象を持っていなかった。世間と自分の矛盾を解決したのが本書である。
ポピュリズムを定義するのは難しいが、これを読むことで感覚的にその意味を掴むことができる。
その特徴は、冷戦終了による各国政党の中道化、さらにそこから発生する受益者の偏りを是正しようとする点である。
その問題点は、経済で語られる合成の誤謬のように、個の事案への適正な民衆判断が、全体として国内外へ不利益を発生させうる点である。
読了日:3月3日 著者:水島治郎
二〇世紀の歴史 (岩波新書)二〇世紀の歴史 (岩波新書)感想
読了。某K先輩にかなり前におすすめされた本。「長い20世紀」という観点から、20世紀は広義の「暴力」によって進行してきたという主張をしている本。WWⅠ以前からWWⅡ、冷戦後まで一貫して暴力が存在しているとする筆者の考えに共感出来た。しかし、筆者も言うように浅く広くしたため、事実を表現するという意味の歴史とするには少々難があるように思う。カーの言う歴史(現在による解釈)が少し入っていて面白かったとは思う。記述が堅苦しくなく、しっかりとした体裁をもって書かれている。読みやすいのでオススメしたい。
読了日:3月3日 著者:木畑洋一
歴史とは何か (岩波新書)歴史とは何か (岩波新書)感想
訳出に難あり。1962年の出版で訳者も故人。
『危機の二十年』の著者として有名なE・Hカーが書いた歴史をどう捉えるかについてかかれた本です。個人的な感想ですが、後半に行けばいくほど翻訳もかなり読みにくくなっていったので読了感は悪い。
しかし、1章を読むだけでも歴史を学ぶ姿勢を、自ら考えなければならないと思うことが出来るので非常に有用だと感じる。
「我々が読んでいる歴史は、確かに事実に基づいているけれども、厳密に言うと、決して事実ではなく、むしろ、広く認められている幾つかの判断である」
次は原典を読みたい。
読了日:3月2日 著者:E.H.カー

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