点と点

読書録&にっき

2017年2月

2017年2月の読書メーター
読んだ本の数:10冊
読んだページ数:2594ページ
ナイス数:26ナイス

英文法をこわす―感覚による再構築 (NHKブックス)英文法をこわす―感覚による再構築 (NHKブックス)感想
今日買って読了。英文法の勉強をリスタートしておよそ一ヶ月になり、本屋で題名と著者名に目がついたので購入。元々、関正生先生の英文法を勉強していてまあ目から鱗というのが多かったので、『1億人の英文法』の大西先生はどんな風に書かれているのか楽しみながら読めた。ただ、この本の主眼がいわゆる学校教育の英文法の有用性の無さを主張することにあるため、大西先生の言う「感覚」とはなにかについては体系的に書かれているとは言えない。ただ、頭の中で英語というものの抽象度が上がって感覚に少し近づいたような気がする。
読了日:2月28日 著者:大西泰斗
使える語学力 7カ国語をモノにした実践法(祥伝社新書) (祥伝社新書 426)使える語学力 7カ国語をモノにした実践法(祥伝社新書) (祥伝社新書 426)感想
速読で読了。
英語学習のモチベーション維持のための再読。
自分が英語などの外国語を学習して何をしたいかを考えながら読み、少しハッキリしてきた。
というのも、国際政治学を学習する上で必要だから始めた英語学習だが、結局外国人と話したい気持ちも相当量あるという事だ。
英語学習の今後の方向性が明確化したし、方法や指針も少し修正できた。
読了日:2月22日 著者:橋本陽介
イスラム国 テロリストが国家をつくる時イスラム国 テロリストが国家をつくる時感想
読了。
ISがどのような過程を経て今の形に至ったのか、彼らの思想はどういったものなのか著者の考えが書いてある。イスラームに関してはある程度知識はあるがイスラームを使った犯罪組織に関しての知識がないので若干読みにくかった。
ISをシオニズムに基づいたイスラエル建国と同一視する視点は衝撃的。
ただし、カリフ制度=悪という前提で話が進んでいるような気がしてならない。私はバグダディが本当のカリフでないとして、カリフは必要だと考える。
池上彰の解説は必要ない。なぜ、訳者の言葉を入れないのか。翻訳は読みやすい。
読了日:2月21日 著者:ロレッタナポリオーニ
幸せになる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教えII幸せになる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教えII感想
読了。
エーリッヒ・フロムやアダムスミスの引用が後半目立った。フロムの『愛する技術』(日本では『愛するということ』)は読んだことがあって、アドラーとフロムの結節点が本書だと感じた。
「哲学とは、理想は理想として追い求めながら、地に足のついた論考でなければならない。」
「(アドラーは)フロイトのように、戦争や殺人、また暴力の『原因』を考えるのではなく、『いかにすれば戦争を食い止められるか』を考えた」
私が、国際政治を学んでいる中で、リアリズムに徹するべきではない論拠もこれにかなり近い気がします。
読了日:2月20日 著者:岸見一郎,古賀史健
ユダヤ教 キリスト教 イスラーム: 一神教の連環を解く (ちくま新書)ユダヤ教 キリスト教 イスラーム: 一神教の連環を解く (ちくま新書)感想
読了。
比較宗教学なる学問的観点から三宗教の関連性、特に福祉に関して書かれている。
旧約聖書からモハメド・アリの言葉まで多彩な引用で宗教学のイメージが変わった。
「動物たちの世界は平和で穏やかじゃないか。鳥たちの世界も平和で穏やかじゃないか。自然のすべては、人間を除いて完全にうまくいっている。人間が苦しんでいるのは、自然や神の掟に逆らった生き方をしてきたからだ。国家なんて忘れることだ。皮膚の色なんて忘れることだ。宗教の違いなんて忘れることだ。」(モハメド・アリ
日本の愛国主義者の言葉が虚しく聞こえる。
読了日:2月19日 著者:菊地章太
三酔人経綸問答 (岩波文庫)三酔人経綸問答 (岩波文庫)感想
読了。中江兆民ー三酔人経綸問答はよく問題で聞かれた気がする。
古典独特の、しっとりした文体、しかし内容は苛烈。今の(国際)政治は本書の域を未だに出ていないと思う。
また、民主主義と拡張主義の意見の対立、南海先生中立的意見以上に、学問(特に文系学問)の有用性を指摘する一文が印象的。
「時代は絹、紙、思想は絵具、事業は絵です。一時代の社会は、一幅の絵なのです。」「あなたが今のうちに、思想という絵具の調合に努力して怠らないならば、百年後には、その絵具の汁が社会という皿に、どくどくと溢れるようになるでしょう。」
読了日:2月16日 著者:中江兆民
「戦争学」概論 (講談社現代新書)「戦争学」概論 (講談社現代新書)感想
読了。
初っ端から論理構成の意味不明の文章に出くわしたため、大丈夫か、と心配させられた。
地政学から現実の紛争の解説、今後の予想の三段構え。
最初の地政学、分かりにくい。村山秀太郎地政学入門をオススメする。
現実の紛争に関しても考察が1面的、宗教的要素が殆ど無視されている。
そして、戦争要因を経済とした上で、米ソの対立を民主主義と共産主義の対立との表現には納得いかない。現実には共産主義は独裁に陥るが元は民主主義を志すものである。経済を基礎として論ずるなら資本主義と共産主義の対立だろう。オススメしない。
読了日:2月13日 著者:黒野耐
国際連合―その光と影 (岩波新書 黄版 323)国際連合―その光と影 (岩波新書 黄版 323)感想
国際連合の歴史を淡々と語った名著。
多くの冷戦期の事件と国連の対応を点で列挙し、ここの事案から導かれる国連の態度、システム、理想が語られている。
1985年にかかれた本なので、「現在」とされている所は実質30年前になるのだが、その当時を感じられる貴重な資料だと感じる。
一読の価値あり。
読了日:2月11日 著者:明石康
「トランプ時代」の新世界秩序(潮新書)「トランプ時代」の新世界秩序(潮新書)感想
いろんな書店を探し回って5店目で見つけた。メディアで話題の三浦瑠麗さんの著作。トランプ現象を自身の現地取材と国際政治学者としての知見に基づく冷静な分析が印象的。トランプ時代と銘打っているが、分析レベルは個人だけではなくアメリカ国内の政治システムを含み、ミクロマクロの視点を両方持っていた。特に94頁のトランプの不法移民発言にまつわる分析が素晴らしい。
読了日:2月5日 著者:三浦瑠麗
古市くん、社会学を学び直しなさい!! (光文社新書)古市くん、社会学を学び直しなさい!! (光文社新書)感想
基本的にテレビは見ない質だが、古市憲寿さんのことは顔と、ハーフ劣化発言で知ってた。彼には中高で天才的に勉強ができた人に似た感情を持った。その発想はどんな枠組みから出てくるのか、読んでいてもわからない。著者は僕の定義する天才なのだろう。
社会学ってなんだって思って読んだのだけど、社会学者の葛藤が見えて面白かった。つまり、定義が少なくとも一般の人には了解されていない故に存在意義みたいなものを考え続けている感じ。今回は、社会学者の葛藤だったんだけど、本質的な部分はすべての大学院生・学者に通じるものだとおもう。

読了日:2月4日 著者:古市憲寿

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